吃音を知る・吃音の原因

吃音とは

・吃音(きつおん)・「どもり」とは、発声の際、最初の言葉が出ない、最初の言葉を連発する、といった症状が見られ、通常の人の会話のように流暢に話すことができないことが常態化したものです。

・特に自分の名前や会社名といった、言い換えのできない固有名詞の発音が苦手という特徴があります。また、歌を歌うときは大丈夫(どもらない)、独り言や、怒るときは吃音がない、というのも不思議な特徴です。この特徴は管理人も実体験しています。

・脳梗塞などの脳疾患の病気を患ってしまった人とは違い、脳を検査しても脳に異常はありません。上述のとおり、歌を歌う時はどもらない、という特徴があるので、発音・発生できる身体能力はあります。脳に異常はないので、自信と勇気を持って生きて行きたいものです。

吃音のタイプ

吃音のタイプとしては、次の「連発」と「難発」が代表的ではないでしょうか。一般的には連発より難発の方が重度症状だと思われます。また、連発の状態から、難発の状態へ症状が悪化していく傾向があると思います。

連発性

「た、た、た、たなかです。」、「か、か、か、かまた」といったように、最初の言葉を繰り返して発音・発声・発話し、会話をする状態のことです。私の経験上、この連発症状を経て、難発の症状へと悪化していくタイプでした。

難発性

「・・・・・たっ、・・・・・たっ、・・・・・たなかです」、「~ん、~ん、~ん、なかむらです。」、「い、い、い、い、い~やまだです。」というように、最初の言葉自体が出にくい状態です。

言葉は、「呼吸」・「舌の動き」・「口の動き」のタイミングが合うことによって発音、発声、発話が可能となり、会話ができるようになりますが、

例えば、「な」を発声するには、舌が上顎から離れるのと同時に息が出ないと「な」の発音ができませんが、舌が上顎から離れない(動かない)と、「な」が出てきません。このように、最初の言葉が出ない、でにくい、状態が定着してしまった状態の吃音です。

吃音のその他症状

伸発症状

「たーーーなか」のように、最初の言葉に引き伸ばしがある状態も吃音症状であると言われています。しかし、私は、これは吃音とは言わないと考えています。確かに、流暢性を欠いているという面では吃音の症状と言えるかもしれませんが、コミュニケーションや会話、生活に支障があるとは言えないと思います。どちらかというと、話し方の「癖」の方に分類されるのではないでしょうか。

補助的前置症状

「あのー」、「えー」、「あっ」、「はい」などの前置きの発声をしないと、その後の言葉が発声できない症状、それら前置きの発声なしに、最初から本文が言えない症状。「補助的前置症状」という表現は私が勝手に名付けたもので、適切でないかもしれません。この症状も、上記「伸発症状」と同様、生活に支障があるとは言えず、どちらかというと、話し方の「癖」の方に分類されると思います。

しかしながら、この「補助的前置症状」、「伸発症状」がきっかけ、あるいは、進行し、より重度の「連発性」「難発性」へと進行してしまうことも考えられ、無視できるものではありません。私、管理人は、初期症状の頃、「あっ」と言ってから電話に出るタイプでしたが、これが悪化して「難発」へと進行したタイプでした。

以上のように、発音、発声、発話の流暢性を欠く状態が定着してしまった状態を吃音(どもり)と定義して良いかと思います。

吃音の原因

吃音の原因、何故どもるようになってしまったのか。医療が進歩した現代においても、ハッキリとした原因が分かっていないようですが、私なりに考えてみたり、私が見たり聞いたり経験した事の他、情報を収集してみましたので、ご紹介いたします。

脳について

私は、吃音者として生活している中で、今までに脳の検査(MRI)を2回実施したことがありますが、脳に異常はありませんでした。一般的に、吃音者に脳に異常は見られないのではないでしょうか。この点、脳梗塞とは異なります。

言語を担当する脳の神経伝達の中で何かしらの不具合があるのかもしれませんが、随時追記していこうと思います。

精神面、心理的な影響

吃音者の中には、緊張が原因の場合もありますし、私は話すことに不安はあるものの、心臓がドキドキするような緊張感はないので、人様々です。深層心理も関わっているでしょうし、予期不安によるものと言われることもあります。

身体的原因:顎の骨格・口の大きさ・体の姿勢

顎が小さい、口が小さい、といった発音、発声のために必要な器官が弱いことも原因ではないでしょうか。体の姿勢について、猫背の場合は、呼吸を妨げる姿勢なので、発声に影響すると思います。

これらが全てではないですが、吃音になりやすい要因であるとも考えます。吃音(どもり)は、これらの身体的要因に、心理的精神的要因などが複雑に絡まって発症していると思いますので、一つの原因をもって原因を特定できるというものではなく、総合的に考えて、一つ一つを紐解いていく必要があると考えています。

遺伝

私の祖父も吃音がありました。母親と祖母は吃音者ではなかったと思いますが、早口でした。早口なのも、吃音を発症しやすい印象があります。

遺伝は、自分自身が努力しても変えられるものではありませんが、変える発想というより、何より大事なのは、家族の責任にしてはいけないということは、お伝えしておきたいものです。個性として捉えて、前向きに考えたいものです。

生活環境・家庭環境・発育による影響

育った環境というのは、かなり大きな要因であると考えます。私の父は、力が強く、威圧的で、怖れる存在でした。いつも父の目を気にしながら生きてきたと言えます。自分自身の感情や、言いたい事を抑えて生きてきたのも、ストレスを溜めて、良くない影響はあったと思います。

早口について

早口も吃音のきっかけになりやすいと思います。早口を指摘され、気にするようになったり、直すように求められて、それがきっかけで、発話・発声のタイミングが狂い、連発性(例えば「た、た、た、田中です」のように)の吃音を発症し、それが難発に発展することは大いにあります。私のこのタイプだと思います。

他者からの指摘・干渉による意識について

「吃音は吃音と診断されてから発症する」という言葉を目にしたことがあります。周囲から指摘されたり、マネをされたり、からかわれたり、そういった出来事があって急に意識してしまい、軽度であったものがどんどん酷くなるということです。私もこのパターンでした。吃音者からすれば、本人に対してはそっとしておいて欲しいですが、親の干渉(直せと言われる)や、学校の同級生などから、からかわれたり、言われることは避けられないものです。