吃音どもり改善・克服方法

吃音(どもり)の改善、克服方法の情報はインターネット上でも多く見られるようになりました。このページでは、管理・運営者の私が実際に試してみた、体験した改善方法を主にご紹介し、列挙いたします。合わせて、改善に効果があるのではと考えられるものも記載していきます。

尚、管理・運営者の私が一番効果があると考え、今後も探求し試していきたい改善方法については、別ページにてまとめて行きます。詳細はこのリンク先をご参照ください。

精神科に通う方法(薬による方法)

病院の精神科に通い、精神科医が処方する精神薬を飲んでみたことがあります。私の場合、精神薬を飲むと、かえって「やる気」が出ず、ボーっとするので、これでは逆に人間がダメになってしまうと思い、早い段階でこの方法を辞めてしまいました。短期間で薬(精神薬)による治療は自分の意思で止めてしまったので、飲み続けた場合、治るのか不明ですが、私の意見は「吃音症は薬を飲んで寝ていれば治るものではない」「薬を飲んで根本的に治癒するものではない」です。

自己啓発セミナーの受講

これも、ある意味、精神的ショック療法とも言えると思います。自己啓発セミナーにも優しくソフトなタイプと、とても過激なタイプと、様々なセミナーのタイプがあります。

私が参加したのは、ライフダイナミクス系と思われる内容のセミナーでした。ライフダイナミクス系のセミナーの内容は過激な方だと思います。ライフダイナミクス系のセミナーは、元々は、ベトナム戦争で心に傷を負ったアメリカの兵士の社会復帰・精神的ケアを目的として開発されたセミナーであったと見聞きしました。一度、身に付いた考えを取り除き、精神を丸裸にして、生まれてすぐの心の状態に戻し、新しい自分に生まれ変わるというような流れですが、セミナー運営側も商業主義が入り混じり、セミナー参加者はセミナー側に都合の良いウィンウィン(WinWin)の精神の元で操られて、最終的にセミナー側の無償労働提供者となり、セミナーへの勧誘者と誘導されていきます。とても巧みにプログラムされている自己啓発セミナーです。

ライフダイナミクス系のセミナーは、ざっくり言うと、大体3段階に分かれていて、第1段階で気づきを得る(感動的な演出があったり、比較的ソフトな内容)、第2段階はとても過激で、自己を突破する(セミナー用語ではブレイクスルーといいます。今までの自分を破壊して新しく生まれ変わるようにする)内容、第3段階は勧誘する(名目は、セミナーで得た自分の感動を他者に伝え、あなたのようになりたいと思わせること=事実上の勧誘段階)というもの。この中で、一番過激で精神的ショックを受ける内容になっているのが、第2段階の「ブレイクスルー」という内容なのですが、これがとても精神を攻撃してきます。精神的ショック療法の一部とも言えると思います。

私の吃音改善に対する考え方は、精神的、心理的要因は吃音の原因としては原因を構成する一部であると考えています。少しの改善はあった気がしますが、効果は一時的なもので、持続性はなかったと思います。セミナーの内容は過激で、とくに吃音改善に特化しているものではなく、参加費用も高額であるばかりか、最終的に勧誘を強要される(勧誘を自己判断させられる)ので、ライフダイナミクス系のセミナーは吃音改善にはお勧めできないと私は思います。

精神的ショックを与えて、今まで身に付いた癖を除き、丸裸の新しい自分に戻るという意味では、吃音克服のためのショック療法としては一部評価できる部分はあるかとは思います。しかし、この手のセミナーはお勧めはしたくありません。最終的には、セミナーの運営部隊として洗脳されていくプログラム内容となっており、WinWinの名のもと、セミナーは正当化され、飲み込まれていきます。

人がどのように洗脳されていくかを知るには、良い経験であったとは思いますが、吃音改善という面では、肯定できません。

注)私が参加したセミナーの費用・・・約40万円だったと思います。

針治療

私が通った針治療は、知人の紹介で通った治療院で、三鍼法という治療でした。とても過激なもので、大きくて長めの針を喉から突き、さらにそのまま上あごまで突き上げるものでした。喉から舌を貫通し、上あごまで届いているのが分かりました。「プツッ」と穴が開く音が聞こえ、思わず「ウッ」となりましたが、急所である喉を突かれると、そのような感じになると思います。なお、施術後、舌の裏側が血だらけになりました。

その施術後は、ショックで、翌日まで気がボーッとなりましたが、ドモリは治りました。おそらく、無駄な力が掛からなくなったからだと思います。急所を突いて、ショックを与えるショック療法ではないかと思います。ショックを与えられると、今まで身についてきたモノが初期化される感じでしょうか。しかし、ショック状態が抜けてくると、また元に戻り、ドモるようになりました。

2回目に行った時、あまりに過激なので、この方法は止めて欲しいと伝えましたが、3回目に行ったとき、そのお願いを忘れられていて、また喉→舌→上あごを突かれました。しかし、最初の時のようなショックはなく、特に吃音に効果はありませんでした。

結局、最初のショックの時の数日しか効果がなく、根本的に吃音改善にはならないのではないかと思います。しかし、最初の時は効果があったのは確かです。それでも、過激な方法なので、おススメはできません。

注)私が通った鍼灸院の費用・・・1回あたり1万円前後? 注)この治療は別料金と言われました。本当はかなり高額な治療なのかもしれません。

聴覚療法

人は、自分の話している声を聞きながら話しているという点に着目した吃音改善療法です。耳が聞こえない障がいをお持ちの方は、言葉が話せないですよね。それを考えれば、納得できます。

「人は自分の話している声を聴きながら話している」=「フィードバックしている」と言えます。吃音者はこの聴覚フィードバックが上手く機能していないと考えられ、それを矯正していくのが聴覚療法です。

私が体験した聴覚療法(オーディトリー・セラピー)は、DAF(Delayed Auditory Feed-back=遅延聴覚フィードバック)の装置を使い、自分が話した声が遅れて聞こえるようにし、遅れてきた声を聴きながら話すという方法でした。尚、吃音がない健常者がこれを使用して話すと、発話・発声のタイミングが狂い、途端に流暢に話せなくなります。これは、いかに聴覚が発話・発声に影響しているかという根拠にもなり得ます。

私はこの聴覚療法が一番科学的で根拠のある治療法で、一番おススメできると考えています。しかし、私の持論は、吃音は様々な要因が複雑い絡まって発症していると考えていますので、この方法は改善のための手段の一部であると考えます。尚、私は、この方法により、電話応対でもドモリが治った時期があります。効果が出るまで、数カ月はかかったと思いますが、周りの同僚も感動してくれるほど、改善が見られました。

また、DAFという装置を導入しなければならないので、10万円だったか、それなりの出費があります。しかし、DAFという遅延装置がなくても、自分の脳で意識的に「ゆっくりと、自分が話している声を意識的に聴きながら話す」ことは可能です。むしろ、これを自分で制御できれば、ドモらないと思います。私は、ドモると感じた時、意識的に「ゆっくりと、自分が話している声を意識的に聴きながら話す」ことを心がけると、詰まっていた声が出る時があり、聴覚療法はやはり効果的だと感じています。

催眠療法

自分自身を催眠させて、コントロールしてみようという試みです。なかなか、自分で自分に催眠術をかけるのは、難しいのではないでしょうか。そこで、私は、他人にお金を払って催眠術を掛けてくれるセラピーに通った時期がありますが、催眠術を掛けられている私は目を閉じていて回りが見えていないのを良いことに、トレーナーが施術(声を出すだけ)しながら閉店作業もしているという不誠実な姿を見た(物音がするので、薄目を開けた)時、止めることを決意し、2,3回通って止めました。※返金してもらいました。

整体・マッサージ・カイロプラクティックによる方法

吃音者は、知らない間に肩などに力が入り、背中などの筋肉が固まっているのではないでしょうか。私は首や肩、背中の筋肉をほぐしてもらい、肉体的に改善しようと何回か通いましたが、あまり効果は感じませんでした。1回あたりの施術料金も5千円以上はかかるので、回数を多くするのも、断念した一因ではあります。

アレクサンダーテクニーク(姿勢改善)

吃音者は、無意識のうちに、身体(喉、舌、肩など全てにおいて)と心・精神に無駄な力が入っていると思います。アレクサンダーテクニークは、心身かかる不必要・不自然な力、緊張があることに気づき、それをやめていくことを学習し、無駄な不必要な力や緊張をなくすことを実践していく手法です。

例えば、赤ちゃんが座ったときの姿勢を思いだしてください。頭、背骨、尾骨までスッキリ・スッとした直線的な座り方ですよね。この姿勢を理想とします。頭は、背骨の上にポンと軽く乗っているイメージ。この姿勢を心掛けると、横隔膜や喉の通気を阻害するものを感じません。アレクサンダーテクニークを試してみると、普段無意識に過ごしている日々に、いかに自分に無駄に不自然に力が入っているか、歪んでいるか、分かることができます。この無駄な力をかけるのを止めることです。

また心、精神的に、緊張している、無駄な力が入っていると思ったら、それをやめれば良いのです。2、3回くらいしか通いませんでしたが、アレクサンダーテクニークとはそういう趣旨だったと思います。興味がある方は、アレクサンダーテクニーク+吃音でインターネット検索してみると面白いと思います。

霊能者との会談・霊視・一般的に非科学的なカウンセリング

自分の吃音(どもり)で、ずっと悩んでいる時、ひょっとしたら、自分に何か悪い霊でも憑いているのではないかとか、前世が関係しているのではないかとか、思う時がありました。

私がまだ20代、30代の時は、スピリチュアルカウンセリングの類が流行っていたこともあり、5名以上の複数の霊能者に会いに行ったことがあります。それぞれ相談料みたいな料金は1時間あたり1万円未満であったような気がします。

小さな石を売り込まれそうになった事もあったり(小さな石をもっているだけで良いとか)、霊能者によって言うことが違っていたり、吃音を治すにあたって霊的な方法はあまり参考にはなりませんでした。藁にもすがりたい気持ちではありますが、この類はおススメできるものではありません。

しかし、友人知人の紹介でお会いできた本物と思われる霊能者の方が言っていたことは信じられる気がしました。その方が言うには、私には、交通事故で亡くなった小さな子供の霊が私に憑いており、その子が吃音者であった、という話でした。ちなみに、私は高校生の頃、自転車に乗っている時に自動車にはねられた事故を経験しています。ひょっとして、ちょっと関係あるのかなぁと思った事があります。

私はその霊能者のおススメで、その子供の霊を慰めるために、難でも良いので、おもちゃと作ってあげてと言われたので、プラモデルを作ったりしましたが、当然、特に何か良くなったわけではありません。。。(笑)

音読

私は、川の土手で、本を大きな声で、ゆっくり音読しながら、音読練習していたものです。吃音は、独り言はドモらないのが特徴です。相手がいて、それでも流暢に話せないと意味がないので、音読だけではなかなか改善はしないのではないでしょうか。しかし、私がおススメの聴覚療法を意識して、「自分の声を意識的に聴きながらゆっくり話す」ことを心掛けて音読してみると、次第に効果が現れるかもしれません。

複式呼吸・呼吸法

ドモっている時、その自分を観察してみると、呼吸が止まっている、横隔膜が固まっていて息が固まっていることに気づきませんでしょうか。アレクサンダーテクニークの言葉を借りますと、無駄な力が掛かっていて、固まってしまっていることに気づきます。

普段から、姿勢を正し、肩の力や喉の力、おなか(横隔膜)の力を抜いての呼吸を心掛けてみてはいかがでしょうか。

その他

・国立リハビリテーションセンターに相談する。

・吃音に関する情報商材を購入する。

人の意見(友人・知人・同僚・上司など)

・「ゆっくり喋れば良い」という意見について

 早口でも、ドモらない人は沢山いますので、この意見は正しくはないと思います。しかし、「自分の声を聴きながらゆっくり話す」事は聴覚療法の趣旨に合致しますので、100%否定はしません。

・「落ち着いて話せばよい」という意見について

 緊張することでドモることは勿論あるでしょうが、緊張していないのに、吃音者はドモリますよね。吃音者であれば、吃音者としての生活経験がある人なら、別に緊張していないけど、言葉が流暢に出ないことは経験していると思います。ただ、聴覚療法で言う「自分の声を聴きながらゆっくり話す」という面から考えると、それは逆に「落ち着いて話す」という意味にもなるのかなと思います。

最後に

私は、以上の改善方法に、総額で100万円以上は費やしたと思います。。。どうかこのサイトで、もっと低費用で改善・吃音克服を図って頂けたら幸いです。

以上のことを実際に自分で体験し、試してみた中では、聴覚療法が一番効果があったと感じています。DAF(遅延装置)を導入できない時は、「自分の声を意識的に聴きながらゆっくり話す」ことを心掛けて実践すれば、それだけでも効果が出てくると、私は考えています。